先日、レンタルで現行の Honda CL500 に試乗する機会がありました。
普段は CRF250Rally に乗っている筆者が、街乗りと高速道路を実走して感じたことをまとめていきます。
スクランブラースタイルの魅力と今後の可能性
CL500は、クラシカルなスクランブラースタイルが非常に印象的なバイクです。
無骨ながらもどこか洗練されたデザインで、個人的には「なぜこれが流行らないのか?」と疑問に思うほどのカッコよさでした。
最近では、ダートフリークがFTR風のカスタムパーツを出していたりと、スクランブラー系への注目も高まりつつあります。今後人気が広がっていく可能性は十分にあると感じました。

見た目に反してしっかり走るエンジンと自然な乗り味
走り出してまず感じたのは、「意外とパワーがある」ということでした。
それでいてアクセルレスポンスは非常にマイルドで、街乗りでも高速でも扱いやすく、乗り疲れしにくい印象を受けました。
- 街乗り:発進がスムーズで扱いやすい
- 高速道路:6速でも加速に余裕があり、100km/h前後の巡航も快適にこなせます
- 燃費:街と高速の折衷で22〜25km/L程度と予想
実際に高速道路を1時間ほど走行しましたが、風圧以外の不快な振動はほとんどなく、エンジンもスムーズに回ってくれました。
特に中速域の粘りが印象的で、アクセル操作に対しての応答性も自然です。
出力特性やギア比のバランスが良く、常用域では非常に扱いやすいエンジンといえます。

操作性はとにかく“素直”。ポジションも自然で安心感あり
CL500は、ライディングポジションがとても自然で、正立フォークとも相まって非常にフラットな操作性でした。
「思ったより曲がらない」「思ったよりクイックすぎる」といった癖もなく、まさに思ったとおりに曲がる感覚です。
Uターンなどの低速取り回しも非常にしやすく、重さをあまり感じさせない設計だと思います。
特に驚いたのは、街中での取り回しの軽さでした。
ホイールベースが長すぎず、ハンドル切れ角も十分に確保されているため、交差点や細い路地でも安心して曲がれます。
排気音は好印象。ノーマルでも十分楽しめる音質
排気音についても非常に好印象でした。
低音が程よく響き、回した時にも心地よいサウンドが得られます。
ノーマルマフラーのままでも十分楽しめるため、すぐに社外に交換する必要性は感じませんでした。
見た目のデザインもシンプルで飽きが来にくく、カスタムベースとしても扱いやすい印象です。
マフラー位置がアップ気味なので、見た目のアクセントにもなっていました。
購入前に確認しておきたいポイント
筆者個人としては気にならなかった点ですが、人によっては注意したい部分もありそうです。
- フットペダルの位置:足に当たると感じる方もいるようです。実車での跨がり確認を推奨します。
- ハンドルロック:イグニッションと別操作なのはやや煩雑です。
- タコメーター:シンプルなメーターですが、回転数を見たい方には物足りないかもしれません。
また、シートは柔らかすぎず硬すぎずといった感触ですが、2時間以上の長距離走行では人によってはやや疲れが出るかもしれません。
ロングツーリングを想定している場合は、シートの形状やクッション性も試しておくと安心です。
総評|CL500は“スニーカーのようなバイク”
CL500をひと言で表すなら、**“スニーカーのようなバイク”**です。
- 気軽に乗り出せて、
- 一日中走っても違和感がなく、
- 操作性は自然で思い通りに走れます。
価格的には「もう少し出せばCB650Rが買える」という声もありますが、実際に乗ってみるとCL500の完成度の高さとキャラクターのわかりやすさが光ります。
何より、“乗っていて疲れない”という点がこのバイクの最大の武器ではないでしょうか。
筆者としては、正直ベースでCL500推しです。