「そろそろスチル機とムービー機、ちゃんと分けたいな…」
そんな悩みから始まった今回の機材選び。結論から言うと、ソニーのVLOGCAM ZV-E10 II(ダブルズームレンズキット)を購入しました。

なぜフルサイズ機ではなく、あえてAPS-CのZV-E10 IIを選んだのか?
前々から重さ問題は書いてましたが、結局理由はシンプルで、「手持ちの油圧ブームアームに載る重量」と「ジンバル(DJI RS 4 Mini)との相性」において、これ以上の選択肢がなかったからです。
今回は、映像制作の視点も交えつつ、マニアックな運用方法や作例も含めてレビューしていきます。
1. 機材選定の絶対条件:「500gの壁」
今回のカメラ選びで優先したかった条件。
それは「レンズ込みで500g以下に収まること」です。
「軽ければ持ち運びが楽だから」といった理由だけではありません。
手持ちの「油圧ブームアーム」を使ってローリング撮影をする際、アームの許容範囲内で安定して運用できるギリギリのラインが500gだったのです。
この物理的な制約の中で、画質、AF性能、そしてレンズ交換の自由度を確保できるカメラを探した結果、ZV-E10 IIが唯一無二の選択肢として浮上しました。

2. ダブルズームレンズキットを選んだ理由
ボディ単体ではなく、ダブルズームレンズキットを選んだ理由は2つ。
- 単純にコスパが良すぎる:単体でレンズを揃えるより圧倒的にお得。
- 付属望遠レンズ(E 55-210mm)の意外なメリット:
標準キットレンズよりも、望遠端の55mm付近で使った時のF値が明るく、ボケも作りやすいんです。これは使ってみて気づいた「良き誤算」でした。
3. DJI RS 4 Mini との相性が「最強」な理由
動画機として、ジンバル「DJI RS 4 Mini」との組み合わせで使用しています。ここにもZV-E10 IIならではの恩恵がありました。
縦横切り替えが爆速
RS 4 Miniは縦位置・横位置の切り替えがネイティブで可能ですが、ZV-E10 IIはその軽さゆえに、切り替えがとにかくサクサク行えます。重いカメラだとバランス再調整が手間ですが、このセットならストレスフリーです。
Bluetoothコントロール
有線でも無線でも繋がるので、それぞれ欲しい機能に合わせて接続してやれば、撮り方の工夫の幅も広がります。
例えばフォーカスをジンバルのダイヤルで送る、AFを作動させるとか。
【Tips】プレートで重心を下げる
ここで一つ小技を。
SmallRigのグリッププレートに加え、手持ちのアルカスイス互換クイックリリースプレートを噛ませてジンバルに載せています。
こうすることでカメラの重心をさらに下げることができ、ジンバルの挙動がより安定して「良き」感じになりました。軽いカメラだからこそ、こういった重心のコントロールが効きます。
軽さは武器だが、練習も必要
ただ、正直に言うと「軽すぎて逆に難しい」場面もあります。
重量があるカメラの方がヌルっと動くのですが、軽いと手元の微細なブレを拾いやすい感覚があります。ここは練習あるのみですね。
4. 写真機としての実力
動画メインでの導入でしたが、スチル機としても予想以上に優秀でした。
「撮って出し」の色が最高
クリエイティブルックの「FL(フィルム)」と「IN(インスタント)」がすごく良いです。
現像しなくても、シャッターを切るだけで雰囲気が完成された写真が出てきます。


ローリングシャッター歪みについて
電子シャッター特有の歪みについては、正直「結構出ます」。
ただ、サーキットで流し撮りをしてみたところ、意外と気にならないレベルで撮れました。

5. まとめ:どんな人におすすめ?
ZV-E10 IIは、カメラ初心者はもちろんですが、真のターゲットは「明確な目的を持った中級者以上」かもしれません。
- ジンバルや特機(ブームアーム等)を使った映像表現を試したい
- メイン機とは別に、軽くて回せるサブ機が欲しい
- 写真も動画も、クリエイティブな色味で手軽に撮りたい
そんなニーズには、これ以上ないくらい「刺さる」一台です。
これからガシガシ使い倒して、ローリング撮影などの動画もアップしていこうと思います。


