先日の記事「Insta360 X5用NDフィルターがついに登場!ローリング撮影への期待」で予告していた、実際のテスト撮影を先日実行してきました。
結論から言うと、結構いい感じに撮れました!
テスト撮影の設定と結果
実際に使用した設定
当初予定していた設定から少し変更して、以下で撮影しました:
- シャッタースピード: 1/24秒(予定より遅く設定)
- NDフィルター: ND64使用
- フレームレート: 24P
- ISO: オート
予想していた1/50秒よりもさらに遅い1/24秒でも問題なく撮影できたのは嬉しい誤算でした。これによって、より滑らかで美しい背景の流れを表現することができました。
良かった点:期待以上の映像美
背景の流れが美しい
1/24秒という遅いシャッタースピードのおかげで、背景の流れ方が本当に美しく表現できました。360度カメラならではの没入感と相まって、ただアクションカメラで撮っただけ~では得られない独特の映像になりました。

動画としての完成度
動画として見る分には、非常に満足できる仕上がりになりました。ローリング特有のスピード感と、X5ならではの広い視野角が組み合わさって、迫力のある映像が撮れています。
発見した課題:縦ブレ問題
1/24秒故の問題
ただし、1/24秒という遅いシャッタースピードには代償もありました。縦方向のブレが結構気になるレベルで発生してしまいました。しかし、これはブームアームを使えば解決するレベルだなと思います。
動画 vs 静止画での違い
興味深いことに、同じ映像でも用途によって印象が大きく変わりました:
動画として再生する場合
- ブレるがそれほど気にならない
- 全体的な流れの中で自然に見える
- 24Pの映像として違和感なし
静止画として切り出す場合
- 縦ブレが明確に視認できる
- 写真として使うには品質が気になるレベル
- 特に被写体の輪郭部分で目立つ
今後の改善案:機材投資の必要性
Neewer油圧式ブームアームの検討
今回のテストで最も強く感じたのは、油圧式ブームアームの必要性です。手持ちや簡易的な固定では、どうしても微細な振動や不安定さが映像に影響してしまいます。
調べてみると、Neewerの油圧式ブームアームが手頃な価格でありながら本格的な撮影に対応できそうです。車両からの振動を効果的に吸収し、より安定した撮影を実現するためには、こうした本格的な撮影機材への投資が必要だと実感しました。
用途別の使い分け戦略
今回の結果を踏まえて、以下のような使い分けを考えています:
動画メインの場合
- 現在の設定(1/24秒 + ND64)で十分実用的
- 多少のブレは許容範囲内
静止画切り出しも重視する場合
- 現在の設定(1/24秒 + ND64)で問題なし
- ブームアームによる機材の安定性向上が必須
- 振動対策ができれば十分実用的な品質が期待できる
次回予告:DJI Pocket 2 × アナモルフィックレンズでのローリング撮影
実は今回のテストと並行して、DJI Pocket 2 + ND64フィルター + アナモルフィックレンズの組み合わせでも同様のローリング撮影を行いました。こちらは先ほど紹介したNeewerのブームアームも使用して、より本格的なセットアップでの撮影です。
現在、撮影した映像のローリングムービー化と静止画切り出し作業を進めています。360度カメラとは異なる表現力を持つアナモルフィックレンズでのローリングショットがどんな仕上がりになるのか、X5との比較も含めて近日中に詳しくレポートする予定です。
まとめ:期待以上だが改善の余地あり
Insta360 X5用NDフィルターの実力は期待以上でした。これまで諦めていたローリング撮影が現実的になり、新しい表現の可能性が広がったのは間違いありません。
一方で、より高品質な撮影を目指すなら機材面での投資も必要だということも分かりました。特に静止画としての活用を考えるなら、撮影環境の安定性は重要な要素です。
それでも、手軽に360度ローリング撮影ができるようになったことの価値は大きく、今後も様々なシチュエーションで活用していきたいと思います。