バイクや車を美しく撮影するのは、思っているより難しいものです。被写体が大きく、金属の反射や複雑な形状など、様々な要素を考慮する必要があります。
今回は、私が普段バイクや車を撮影する際に特に気をつけている5つのポイントをご紹介します。なかなか思った感じにならないなぁとか悩んでらっしゃる方に、お手伝いできたらと思い記事にしました。
それでは早速参りましょう!
1. 串刺し構図は絶対に避ける
例えば人物入りでまず最も重要なのが、串刺し構図や首切り構図を避けることです。これは論外と言っても過言ではありません。

具体的には:
- 電柱や標識がバイクや車を貫くように配置される構図
- ライダーやドライバーの首の部分で画面が切れる構図
- 背景の建物の角などが被写体を突き抜ける構図
これらの構図は見る人に不快感を与え、せっかくの被写体の魅力を台無しにしてします。撮影時は必ず背景をチェックし、不要な線や物体が被写体を邪魔していないか確認しましょう。



2. 合成に頼らず、現場で完成させる
最近は写真編集ソフトの発達により、後から様々な加工や合成が可能になりました。しかし、基本的に合成は行わないというスタンスを貫いています。
なぜなら:
- 撮影技術の向上につながらない
- 自然な光と影の表現が失われる
- 現場での判断力や構図力が身につかない
例えば星景写真とかでやる比較名合成とか、風景でやる深度合成は対象外と思ってますが、合成に頼ると、「後で何とかなる」と考えてしまい、現場での集中力や技術向上の妨げになります。一発勝負の緊張感が、より良い写真を生み出すのです。

3. 広角レンズ使用時は水平を徹底する
広角レンズは迫力のある写真を撮影できる反面、歪みが生じやすいレンズです。特にバイクや車のように直線的な要素が多い被写体では、水平の取り方が仕上がりを大きく左右します。
広角使用時のポイント:
- カメラの電子水準器を活用する
- 地平線や建物の水平線を基準にする
- 後傾や前傾が強すぎないよう注意する
わずかな傾きでも、バイクや車が不安定に見えてしまいます。三脚を使用する場合は水準器で、手持ちの場合は電子水準器を頼りに、確実に水平を出すようにしています。

4. 流し撮り(ローリング)は中途半端にしない
動いているバイクや車を撮影する際の流し撮りは、しっかりと流すを徹底します。
中途半端な流し撮りは:
- スピード感が曖昧で迫力に欠ける
- 意図が不明確な写真になる
流し撮りやローリングを行う場合は、背景が完全に流れる設定で臨むこと。そして被写体は確実にピントを合わせ続けることが重要です。
SSを遅くできない晴天下であればNDフィルタを使うのは大前提。

5. 光の陰影で構図を作る
最後に、最も重要なポイントが光の向きと自然な陰影を活かした構図作りです。
避けている手法:
- 長時間露光でライトを持って走り回る
- 人工的な光の演出
- 過度なライティング
これらの手法は確かに印象的な写真を作ることができますが、撮影技術の向上にはつながりません。光の変化を読み、太陽の位置や雲の状態、ストロボの向きや強さを考慮して撮影することで、光を見る目が養われ、結果的により良い写真が撮れるようになるんだと思います。


まとめ
これら5つのポイントは、一見制限的に見えるかもしれません。もっと自由であるべきだ、と。しかし、制約があるからこそ創意工夫が生まれ、技術が向上すると思うのです。
特にバイクや車の撮影では、被写体の魅力を最大限に引き出すことが重要です。小手先のテクニックに頼らず、基本に忠実に、そして自分の目で光を読む力を養うことが、印象的な作品を生み出す近道だと信じています。
ぜひご参考にしていただければ幸いです。